はじめまして。　漫画のコマ割りはみんな悩むところですよね。

私からは、先人の受け売りの解説となりますが、
コマ割りの講座で出た話を書きます。

かつて、ルパン三世原作漫画家のモンキーパンチ先生（当時はご存命）の
講演会に参加したことがありまして、そこでモンキーパンチ先生流の
「アイデアが詰まった時のコマ割りの方法」というお話を聞きました。

先生いわく、
ネームにおける下書きはデッサンが正確でなくても良い、あくまで
どんな風なストーリーにしたいか確認するためだとのことです。

そして、
「アイデアに詰まってしまったら、次のコマに『文字』を１字書く」とのこと。

単純な文字　あいうえお　だとか　ＡＢＣ　の字です。

その講演会においては、例えとして、先生は「Ｃ」の文字を白板に書きました。

「さあ、この　Ｃ　の字をもとに、むりやりでもこじつけでもいいから、
　ルパンの顔を描こうとしてみます」

「Ｃ・・・　Ｃね。　うーん、あ！そうだ。ルパンは耳が大きい顔立ちだから、このＣを耳にしよう。」

「そうするとー、Ｃで右を向いてる横顔のルパンの耳の部分だね。」

「こう、耳に継ぎ足すように顔もかきましょう。　これで、ルパンは、右の方向に何かを見つけたようなリアクションをして、首を傾けてそっちの方角を見やった・・・ってことになるよね。」

「じゃあ、その気になったものが　敵の罠なのか、美女を見つけたのか・・
　・・・そこからいろんなアイデアが捻出できるでしょ？」


「で、まあ、こじつけで描いたから、ルパンの顔がちょっと歪んじゃってるよね。でも別にいいんだよ。これはネームで、漫画の下書きだから。
　清書するときにキレイに描き直せばいいんだよ。」

この方法論が完全に正解かどうかは分かりません。ひとによって向き不向きもあるでしょう。
ただ、月刊アクションで連載していた著名漫画家のアイデア術として、私は面白い工夫だなぁと感じました。


何かきっかけとなる字や図形を描いたら、それに　こじつけでもいいから何か描かなきゃ・・・という自分への発破となる・・・ということを言いたかったのだと思います。

私も時々この方法に頼ってみたりもしています。


アイデア・新シーンの捻り出し方というのは、千差万別ありますが、私からはご参考までに上記のエピソードを紹介した次第です。


いろんな人の意見を利用して頑張ってくださいね。